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パリ在住ライターが現地情報をお届け! ワイン&フードダイアリー 47

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みなさん、こんにちは!
ご存知かとは思いますが、フランスは肉食の国。
日本のように主食の概念はなく、基本のメニューは肉(または魚)。
パンは朝ごはんや軽食のサンドイッチのため、
また、肉など主菜の添え物のように考えられており、
主食だとは思われていません。

牛、仔牛、豚、うさぎ、羊、鶏、鴨と日常食にもいろいろあり、
時期になるとジビエも加わるのでバラエティ豊か。
その中でも、誰にでも好かれるメニューといえばステーキで、
ステーキが嫌いというフランス人には、まだ会ったことがありません。

ちなみにステーキsteakはフランス語で発音するとステック。
一般的にフリット(フライドポテト)が添えられるので、
合わせて「ステック・フリット」というメニュー名で呼ばれています。

パリで、そしておそらくフランス中で、
街のカフェから有名レストランまで、あらゆるお店で食べることができます。
店ごとに肉の質、ソース、もちろん焼きのテクニックなどさまざまな違いがあり、
ひとそれぞれにお気に入りのお店があるようです。

その中でも、おいしいもの好きの友人たちが、
「あそこのソースは、何が入っているのか想像つかない!」と声を揃えていうのが、
「Le Relais de l’Entrecôte ル・ルレ・ド・ロントルコット」。
ソースのレシピは一切発表されていません。





こちらのお店は1959年創業。いまはパリに3店舗あります。
訪れたのは、シャンゼリゼ通りのジョルジュVの駅から
歩いて5分ほどのところにあるパリ8区店。
昼どきには長蛇の列、と聞いていたのですが、
満席ではあったものの、少し待つだけですんなり入れました。

このお店には、基本的にメニューというものがありません。
なぜなら、ステーキセット1種類という潔い設定だから。
普通、ステーキ専門店でも部位くらいは選べるものですが、
こちらは問答無用、出されたものを食べるしかないのです。
部位は店名にもなっている「オントルコット(ロース)」のみ。
飲み物とデザートはあります。

ステーキ定食(24.8ユーロ/約3500円)には、

クルミののったグリーンサラダ
ステーキ
ポム・アリュメット(細いフライドポテト)

が含まれています。
もちろん、パンはデフォルトで出てくるのでご心配なく。

席に座ってすぐに、「焼き具合は?」と聞かれます。
前置き一切ナシ。店のシステムを知らないひとには意味不明。
ちゃんと予習してきてよかった……。
「セニョン(レア)」と答え、あとは飲み物を注文。
飲み物もメニューがないのですが、適当に飲みたいものを言えばOKです。

店内には、驚くほど多くのサービス係がいます。
一般的にパリのお店ではサービス係の人数が少なく、
注文を取りに来るのも、お料理が出てくるのも遅かったりするので、
サービス係の多いお店というのは、とてもめずらしいのです。

さて、注文してすぐに小皿に入ったサラダが到着。
そして、それを食べ終わる頃にステーキがやってきます。





ステーキが5切、カリカリのポテトは山盛り。
これだけでお腹いっぱいですが、じつはまだ前半。
残り半分の肉は、別の場所に置かれたウォーマー付のお皿に残されていて、
1皿目の肉が食べ終わったころに盛り付けにきてくれます。
肉が冷めないようにという心遣い、うれしいです。
お肉と同時に、ポテトも盛ってくれます。これは食べ放題。
いやしかし、この2部制(?)も予習なしでは絶対困惑していたところです。

さて、噂のソースですが、かなりコッテリ。
肉そのものは脂分がなくあっさりした赤身なので、
ソースでコクと油分を補って完成させているようです。

重みのあるソースですが、酸やハーブの香りでバランスがとれ、
濃さだけが目立つということはありません。
バター、クリーム、ヴィネガー、マスタード、パセリ、チーズ?
でも、それだけじゃない感じ。
見た目にはまったく美しくないソースですが、
なんだろう、このクセになるうまさ。
両隣のお客さんの皿を見ると、
最後の一滴までソースをパンですくって食べています。
やっぱりみなさん、これを食べに来ているんですね。
ソースがからんだポテトに至っては、まさに禁断の味わい……。

仏誌FIGAROの「クセになる皿10選」にも選ばれたステーキ。
たしかに店を出てしばらくたつと、
またここのソースが食べたくなっていました。
ぜひみなさんも、パリにいらしたら
噂のソースを体験しにきてくださいね。
では、また来週!


文・吉田恵理子/パリ在住


Le Relais de l’Entrecôte Paris
15, rue Maubeuf 75008 PARIS
http://www.relaisentrecote.fr/index.html