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紹興酒の甕をキレイに開封する方法

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紹興酒の甕を自宅で開けるのは、今回で5回目。
わりと、甕買いしているのだ。甕で買ったほうがリッターあたりで計算すると割安だし、客人が集まったときに振る舞えば「甕出し紹興酒!」と盛り上がる。
しかし、甕の口部分は分厚い石膏で固められていて、開封にはずいぶん苦労してきた。トンカチとノミだけを使い、ゴツゴツと石膏を叩く叩く。甕口が見えてきたころ、周囲は散らばった石膏で驚きの白さに。うへぇ、掃除が大変だー。

なら、中国料理店では、どうやって開けてるんだろう。中華包丁の峰の部分でぶっ叩くなんて話も聞きつつ、……え、ノコギリを使うの?知らなかった!
本来、力任せに叩いて開けてはいけなかったのだ。甕は陶製。運搬時に軽いヒビでも入っていたら、トンカチの衝撃でパーになりかねない。





そこで、我が家でもノコギリを使っての開封に初挑戦。
用意するのはノコギリ、トンカチ、ノミ。ノミはマイナスドライバーで代用する。




ベランダや庭でやると、散らばった石膏の後始末が簡単。
室内なら、ビニールシートや新聞紙を広げておこう。
トンカチの衝撃を和らげるため、甕の下には段ボールやプチプチを敷いて。




まず、ノコギリで石膏のど真ん中に溝をつける。
円周の角から刃を入れていくと、ノコギリの位置が安定する。
つける溝の深さは1~2㎝ほど。





次は、横へ移動。円柱と甕の境より数ミリ上の部分をぐるっと一周するように、ノコギリを入れていく。
刃が陶製の甕に当たると手ごたえが「カリッ」と変わるので、それを目安に。
ちょっと刃が当たったくらいで、甕は割れない。





そうして、また上部へ戻り、先ほど作った直線の溝にノミを入れて、トンカチで叩く。
すると、じわじわ溝の幅が広がっていき、ある瞬間にボコッとズレる感触が。
あとは、手で石膏の塊をグラグラとゆすりながら取り除くだけだ。

トンカチでひたすらぶっ叩いていたときは開封に20分近くかかっていたのが、ノコギリを使用すると10分弱。手早くやれば5分で終わるだろう。
あああああ、もっと早くから知っておけばよかった。





蓋部分は、竹の皮、素焼きの蓋、ハスの葉、ラップ(もしくは油紙)が層になっている。
竹の皮やハスの葉は崩れやすいので取り除き、代わりに素焼きの蓋を新しいラップで巻く。衛生的かつ、少しだけクッション性をもたせることで甕口にフィットする蓋となる。

さて、今回開封したのは容量9リットルの甕。
24リットルなら、普通サイズのお玉でチャッポンチャッポンと汲みだせるのだが、9リットルの甕口では、小ぶりな柄杓でないと紹興酒が取り出せない。
その場合、私は甕を傾け、一定量を空き瓶に移し替えておく。





「まさか、ドメーヌ・デュ・ペゴーのボトルに我々が入る日が来るとは」(紹興酒談)





でも、こんなボトルカバーをもっていれば、瞬時にペゴー感ゼロ。





紹興酒の酒器としては、デカンタやテイスティンググラスでもいいし、日本酒用の片口、大ぶりのぐい飲み、小ぶりの湯呑みを使うのもいい。丸い湯呑みだと、中国の街角で飲んでいる気分になり、わりとシックリくる。





こうなりゃ、つまみも紹興酒使いで。
紹興酒:醤油を2:1にし、花椒の粒、唐辛子を適量入れたら1分煮立たせる。
黒酢があれば、紹興酒:醤油:黒酢を2:1:1にしてもOK。
紹興酒の分量が多いのは、大きな甕を開けて気が大きくなっているから? いやいやいや、本来は砂糖を使うところ、紹興酒のもつ甘さに任せたいのだ。
その漬物調味液に、棒状に切って塩もみした大根や人参を漬けこむ。半日経ったころから食べ頃で、1週間ほどは日持ちする。





空き瓶に詰めて並べると、キッチンのアクセントにも。
かわいらしい瓶のわりに、液体がずいぶんと茶色いのだが……まあ気にしない、気にしない。

文・山本ジョー