フランスは全国のワイン産地で収穫真っ盛り。
すでに終了したワイナリーも多くあるようです。
今回は、先週にお邪魔した、
ブルゴーニュ北部シャブリのワイナリー収穫レポートです。
お伺いしたのは、17世紀からの歴史をもつドメーヌ・セルヴァン。
シャブリにグラン・クリュ(最上級畑)を4つ、
プルミエ・クリュ(第一級畑)を6つ所有。
ブドウ樹齢の平均は35年。
世界各国に顧客をもち、生産ワインの85%が輸出されています。
訪れた日は、手摘み収穫の2日目、プルミエ・クリュの作業日でした。
なお、こちらのワイナリーでは機械摘みも行なっています。

プルミエ・クリュ レ・フォレの畑の様子。
今年の収穫期は天候に恵まれ、ブドウの質・量ともに良好とのこと。

シャブリのワインはシャルドネ種100%。
充分に熟れたブドウは食べてもとてもおいしいです。
もちろん甘いだけでなく、酸味もしっかり。
ブドウに黒い斑点が出ているのが、収穫OKのサイン!
手摘みの収穫はプルミエ・クリュとグラン・クリュで行なわれ、
だいたい1週間続きます。

収穫隊は、毎年30〜35人だそうです。
屈んでブドウを朝から晩まで摘み続ける重労働。
それぞれがバケツの中に刈ったブドウを入れておき、
背負われた大きな容器で、各々のブドウを集めていきます。
そして、その後はトラックへ。

大量のブドウ! 粒がピカピカに輝いて美しいですね。

圧搾前に、軽く棒でブドウを潰しておきます。
圧搾した果汁は、低温で1日タンクに入れておき、澱を沈殿させます。

こちらが、澱を沈殿させた後の果汁。
グラスの奥に見えるのが、現当主のフランソワ・セルヴァン。
ブドウを絞っただけのフレッシュなジュース、これがほんとにおいしい!
収穫期だけに味わえる贅沢です。
その後は、セルロースを通して、さらに濾過を行ないます。

澱を取り除いたら、ステンレスタンクまたはオーク樽にて発酵を行ないます。
摘んでから発酵開始までは、わずか1日。
このスピードがブドウの鮮度を保つためにはとても大事です。
なお、発酵温度は20℃と、白ワインとしてはギリギリの高めの設定。
もう少し低いとどうなのか、とたずねたところ、
シャルドネらしいアロマを極力出す温度を探ったところ、
ここに行き着いたのだそうです。
低いと、ソーヴィニヨンのようなフローラルでフルーティな香りが出て、
理想とするシャブリとは違うものができ上がるのだとか。
発酵期間も14日間と、しっかり取ります。
セルヴァンいわく、理想とするのは祖父の世代の伝統的なシャブリだそう。
飲みやすく、さっぱりした軽めのシャブリが多い中で、
あえて複雑でミネラルが多く、ほどよい強さを感じるワイン造りをしています。
年間を通じ、理想的な気候だったという2014年。
どんなワインができ上がるのか楽しみですね!
では、また来週!
文・吉田恵理子/パリ在住
ドメーヌ・セルヴァンHP
http://www.axel-technologies.com/servin/grands-crus-de-chablis.html