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料理1品×ワイン2種を合わせるマリアージュのコツ

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料理1品につきグラスワインを1杯ずつ種類を変えて合わせていく。それでもじゅうぶん贅沢なのだが、料理1品につきワインを2種合わせ、しかも赤と白1種ずつだなんて、本当に可能なのだろうか?

まあ、あっさり結論から言っちゃえば、可能だ。SOPEXA主催によるイベント「ボルドーワインで極めるマリアージュの真髄」で、それが見事に証明されていたから。



マリアージュのナビゲーターは、石田博氏。今年10月の全日本最優秀ソムリエコンクールで優勝を決め、世界大会へ再挑戦となるかどうかの正念場を迎えている。しかも11月には黄綬褒章を受章。今もっとも旬な男だ。
そんな彼が料理と合わせていったのは、赤も白もすべてボルドーワイン。ボルドーワインの輸入量を見ると日本は世界で5番目をキープしており、その種類も当然、軽めの白からどっしり重い赤まで、大概のタイプは揃えられる状況にある。

で、なんでボルドーワインなのか? 石田氏の回答はこうだ。

「料理とともに世界中の人をおもてなししてきた歴史と、バランスがよく汎用性があるのがボルドーワインだから」。

さまざまなジャンルの料理、複数の皿と合わせられる万能型ワインならば、逆に料理1品にフォーカスしてもピッタリくる赤ワインと白ワイン両方が必ず探し出せるというわけだ。
「こないだまでボルドーに行ってたんですけどね、最近のボルドー白は、酸化させないタイプがトレンドみたいですよ。一時は木樽熟成ものが流行っていましたが、醸造時に酸素を遮断し、ピュアなスタイルにした白が増えてきました」
なんて新ネタも披露してくれる石田氏のトークをちょいちょい挟みながら、さっそく実地検分へ。以下、印象に強く残ったマリアージュ2パターンをご報告する。



料理:「秋刀魚と茄子のアンサンブル 苦みを効かせたタプナードと共に」
白ワイン:シャトー・ラフォン・フルカ白 2012
赤ワイン:シャトー・ボーモン・レ・ピエリエール2010

青魚とワインは、うっかりすると生臭みが際立つ危険なマリアージュだ。だが、ミュスカデル100%の白ワインは青い香りで料理を引き上げ、軽めの赤ワインはタンニンの渋みが秋刀魚の苦みとしっくり馴染む。



マリアージュのベクトルが白と赤では異なるのだけれども、それぞれに正解。





料理:「島根産 ハタのポワレ ジロール茸のフリカッセ 法連草のソテーをあしらって」
白ワイン:シャトー・ラ・ソヴギャルド2013
赤ワイン:シャトー・グリモン 2011

ここで、石田氏独自のマリアージュ節がさく裂した。

「マリアージュに必要なのは、水分です。ワインと食材をつなぐのは、料理に含まれている水分、もしくはソースなのです」

だから、ハタも蒸して水分を残したほうが、よりワインと合うのだとか。へぇー。
この料理で見ていくと、白ワインの場合は「酸+水」をポイントに、赤ワインは「渋+水」をポイントに合わせる感覚。とくに赤ワインは、キノコとホウレンソウで料理に土っぽさをもたせたことで、風合いが近くなるという。そして、赤ワインに合わせる工夫を凝らしたとしても、もちろん白ワインとのマリアージュが崩れることはない。
やっぱり、そこがボルドーワインの懐の深さたる所以なのだろう。

ちなみに、「キノコは赤ワインと合う」ってのがマリアージュの絶対法則なのだそう。これ、覚えておいて損はない。ジロール茸は普段なかなか食べられなくとも、シイタケやシメジなら簡単に手に入るから。

よし、マリアージュのポイントは、「水」と「キノコ」!
酔っぱらって記憶を無くしがちでも、それだけはカンペキに覚えた!





マリアージュの極意を伝えるイベントを開催したボルドーワイン委員会の皆さんと、ソムリエの石田氏、そして「レストラン・リューズ」の飯塚隆太シェフ。本場ボルドーでも、地元ワインとのマリアージュを探求するイベントは多々行なわれているそうだ。

文・山本ジョー


協力SOPEXA