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【イベント取材レポート】キッコーマン「大人の食体験」、アッサンブラージュ体験編に潜入!

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ある日、キッコーマン広報部から一通のメールが届いた。「一般の方を対象としたアッサンブラージュ体験のイベントを取材しませんか?」とのお声掛け。マンズワインの関連会社であるキッコーマンが取り組んでいる、「食」に関わる情報・知識・体験を提供する食育プログラム「大人の食体験」の一環だという。
取材でワイナリーにうかがう機会は多いとはいえ、我々も醸造家ではないので、実際にアッサンブラージュ作業の経験はない。これは見てみたい……との好奇心から、ツアーに参加してみることにした。

アッサンブラージュとは、ワイン醸造の仕上げ段階で行なう原酒の調合のこと。ウイスキーでいうところのブレンドである。各蒸留所にブレンダー職が存在するウイスキーの世界では、商品クオリティを保つための重要な工程だ。ワインにおけるアッサンブラージュも、ウイスキーほど複雑ではないものの、商品として出荷されるワインの品質維持のための大事な作業であることに変わりない。単一品種のワインだって、さまざまな畑のブドウから仕込んだワインを調合して商品を造り上げたりするのだから。

前置きが長くなったが、2016年12月3日、眠い目をこすりながら勝沼に向かった。キッコーマンのHPで募集されたこの日の参加者は30名。朝7時半に東京駅に集合し、バスに乗り込む。10時にワイナリー到着後、6つのグループに分かれて、早速アッサンブラージュ体験開始!





今回で3回目となるアッサンブラージュ体験の課題は、ワイナリーでこの日のために特別に調合された「目標ワイン」と同じワインを造ること。参加者の前には、目標ワインと4つの原酒が用意されている。この4つのワインをどういう配合でアッサンブラージュするかがポイントとなる。

この体験ワークショップで講師を務めるのは、同ワイナリー主力シリーズのひとつ「リュナリス」の醸造責任者・武井千周。テイスティングの意義や方法についての説明があり、それに沿って参加者おのおのがお手本ワイン、原酒ワイン4種をそれぞれ試飲する。ヒントはテイスティングで参加者それぞれが感じ取った「色」「香り」「味わい」のみ。アッサンブラージュのトライアルは2回まで。巨大メスシリンダー&ビーカーを目の前に、難課題にチャレンジする参加者たちは、みるみる真剣な面持ちになっていく。





用意された原酒ワインは4つ。試飲した印象は、以下のとおり。

1 )色は薄め。ややスモーキーさがありつつも比較的平坦な味わい。酸をすこし感じる。
2 )色は薄め。粉おしろい的な香り。キャンディ的なニュアンスで、ボリュームあり。
3 )ややグレーがかった色合い。とろりとした食感がありつつも、花を思わせるエレガントな印象。
4 )色は濃いめの黄色。パイナップルのニュアンスで、樽の香りが強め。









各班にひとりずつキッコーマンのスタッフが入り、参加者の話し合いをアシストしてくれる。それぞれのテーブルで、各自の試飲メモを頼りに、ワインの配合についてああでもないこうでもないと熱く意見が交わされる。テーブルについたときには初対面だったはずの面々が、ひとつのチームとしてまとまり始め……。そして30分後、各班のワインが出揃った。

いよいよ、正解発表!





原酒ワインの品種とブレンド比率の正解は、
1 )セミヨン 60%
2 )シャルドネ(ステンレスタンク醸造) 10%
3 )リースリング 20%
4 )シャルドネ(樽熟成) 10%

武井氏の解説によれば、比較的ノーマルな味わいのセミヨンをベースに考えて、特徴の強いリースリングを入れすぎると、ベースの味わいが消えてしまうので注意が必要とのこと。一般的に重厚なワインを造りたいときにはシャルドネをベースに、軽やかさや華やかさのあるワインを造りたいときはリースリング、突出した特徴のないワインにはセミヨンを使う、といった説明もされた。

残念ながら正解は出なかったものの、いちばん近い数字を出したのがA班。だが、各班でアッサンブラージュしたワインを飲み比べてみると、いちばん味わい的においしいと人気だったのは、まったく配合の違うB班のワインだった。そう、今回の課題は、あくまで「おいしいワインを造る」ことではなく、「お手本ワインと同じワイン」を造ることなのだ。

その後の質疑応答では、「実際のワイン造りでは原価率なども考慮するのですか?」といった、参加者からの鋭い質問も飛び出し、アッサンブラージュ体験は終了した。





お待ちかねのランチはワイナリー内のバーベキュー場「万寿園」で。
新商品の「酵母の泡 マスカット・ベーリーA 山梨ロゼ 2016」で乾杯だ!





午前中の真剣作業から開放され、ワインを飲み、ワイン豚も食べられるBBQランチが始まる。美味しい肉を頬張れば、ワインも順調に進む。参加者同士もすっかり打ち解けた様子で、どのテーブルも話が盛り上がっている。この日のワインは、乾杯ワインに続き、日本ワインコンクールで3年連続金賞受賞の「リュナリス 甲州 バレルファーメンテーション」、抜群のコスパを誇る「醸造家のハウスワイン 赤」。



   

ランチ後は、通常の見学コースとは違うコースでのワイナリー見学へ。酵母や16年ヴィンテージの出来、発酵容器、クロージャー(栓)の種類などについての質問が飛び、ハイレベルながらもわかりやすい解説付きで施設内を回れるのも興味深い。そして、最後は試飲もできるワインショップへ。ワイナリー限定商品もいろいろ並び、つい触手が伸びる……。





ワイナリーでの濃密な時間もここまで。帰りのバスの出発時間だ。こうして1日の体験ツアーは幕を閉じた。
新たなワイン仲間も作れる「大人の食体験」、マンズワインでのイベントとしては、ほかに小諸ワイナリーでの剪定体験ツアーも実施されている。気になる方はチェックしてみて!


キッコーマン「大人の食体験」
https://www.kikkoman.com/jp/csr/social/syokuiku/familly/international.html



Text & Photo : Winart